BMWの頂点7シリーズとi7に試乗。デザインは微妙だが!? 走りは凄い!
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 65
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 65
BMWのトップモデル「7シリーズ」は1977年の登場以来6回のフルモデルチェンジを行ってきたが、常に時代の先端を行く技術やデザインで話題を提供してきた。戦後初の12気筒エンジンや世界初の水素エンジン採用などが挙げられるが、2001年に発表された5世代目は当時のチーフデザイナー、クリス・バングルによる大胆なデザインとやや難解なインフォテイメント・システム「iDrive」で業界ばかりでなく一般人を巻き込んで大きな話題を提供した。
>そして7世代目を迎えたニュー7シリーズ(開発コード:G70)は、デザインとパワートレーンの両方で改めて大きな変革を持ち込もうとしている。
試乗会が行われたカリフォルニア州にある保養地パームスプリングで待っていたニュー7シリーズは2機種、「i7 xDrive 60」とマイルドハイブリッドの「760i xDrive」である。
前者はフロントおよびリアにそれぞれ258馬力と313 馬力の電気モーターを搭載し、544馬力のシステム出力と745Nmのシステムトルクで4輪を駆動するBEV。後者は4.4リッターV8ツインターボに48Vのマイルドハイブリッドを組み込み、544馬力の最高出力と、750Nmの最大トルクを発生する。
>>BMW 7シリーズのカタログ情報をチェックする
>>BMW i7のカタログ情報をチェックする
>>BMW 7シリーズのユーザーと専門家のレビューをチェックする
両モデルともにCLAR(クラスター・アーキテクチャー)プラットフォームがベースで、ほぼ共通なデザインをもっている。ちなみに見分けるには、フリントのエアインテーク、リアのエグゾーストパイプの有無しかない。
伝統のグリルは左右が一体化されたモノキドニーでさらに大型化し、グリルフレームはLEDで照明されている。その両側には4灯のLEDデイライトが並び、さらにその下に同じく4個のLEDをもつヘッドライトが並んでいる。4アイズデザインと呼ばれているが、ブラックレンズなので昼間は横長のスリットのようだ。
試乗車のフロント部分は何故かすべてブラックアウトされており、遠くから見るとフロントは大きなブラックホールのように見える。BMWによれば販売比率が45%にも達している中国市場を考慮したデザインだと説明された。デザインは好みの問題で、ここでは議論を避けるが、こうした急速な中国化、中国に靡くような傾向を聞くとドイツメーカーの持っていたアイデンティティはどこに行ってしまったのだろうかと情けなくなる。
一方インテリアはダッシュボード一杯の巨大なスクリーンを配したメルセデスと違って、シンプルなカーブドディスプレイですっきりした印象を与えている。また3.2mのホイールベースが可能にしたリアコンパートメントは広々としており、オプションの31.3インチのシアタースクリーンはアマゾンファイアTVをプラットフォームにもち、様々なエンターテイメントを文字通り劇場にいるような雰囲気で楽しむことができる。
>>BMW 7シリーズのカタログ情報をチェックする
>>BMW i7のカタログ情報をチェックする
>>BMW 7シリーズのユーザーと専門家のレビューをチェックする
最初に試乗したフルサイズBEVの「i7」だ。パワーペダルを踏み込んだ瞬間から立ち上がる745Nmのトルクには、他のEVにあるように唐突なダッシュではなく、重厚で、V12エンジンを思わせる加速フィールがある。
ペダルを半分踏み込んだハーフスロットル(?)でアメリカのハイウェイ法定速度75mph(約120 km/h)に到達する。もちろんさらに踏み込めば確実に最高速度の240km/hに届くが、スピードコントロールの厳しいここではアダプティブクルーズコントロールをONにして、レベル2+のクルーズを楽しむほうがスマートだ。
郊外のマウンテンロードでは2.7トンの重いボディであるにもかかわらず、ステアリングを切った方向へスパッと向きを変える。続いての驚きはブレーキ性能だ。これまで試乗してきた他ブランドのフルサイズBEVは、回生とメカニカルブレーキのマッチングが悪く、さらに下り坂では明らかに重量オーバーで制動性能が追い付いていなかった。ところがi7ではこうした現象が起こらず、安心してヒルクライム&ダウンを楽しむことができるのだ。
>>BMW 7シリーズのカタログ情報をチェックする
>>BMW i7のカタログ情報をチェックする
>>BMW 7シリーズのユーザーと専門家のレビューをチェックする
続いて試乗したICE(内燃エンジン)搭載の「760i xDrive」はBEVのような強烈な立ち上がり加速性能は持ち合わせていないが、滑らかでトルクフルなV8ツインターボに加えて、48Vのマイルドハイブリッドによるアシストによって息の長い加速フィールを見せてくれた。
また、ワインディングロードではロールも少なく、正確に路面フィールを伝えてくれるステアリングのお陰で5メートルを超える長さを感じさせないスポーティな取り回が可能だった。
両モデル共にスポーティで快適なドライブを楽しませてくれたのは、前述したICE搭載モデルと共通のCLARプラットフォームを採用しているためかも知れない。他のメーカーが採用しているガチガチに剛性の高いEV専用フロアパンよりも、フレキシブルなCLARの方がBMWのDNAをシャーシ―セッティングに生かせるのだろうと思う。
BMWジャパンは7月1日から発売を開始、残念ながら今回紹介したV8エンジン搭載の760i xDriveは日本では発売されないが、i7 xDriveはエクセレンスとMスポーツ共に1670万円と発表されている。なお生産はドイツのディンゴルフィング工場で行われ、日本へのデリバリーは来年2月になると予想される。
>>BMW 7シリーズのカタログ情報をチェックする
>>BMW i7のカタログ情報をチェックする
>>BMW 7シリーズのユーザーと専門家のレビューをチェックする
●主要スペック
ボディサイズ=5391x1950x1544mm(共通)
ホイールベース=3215mm(共通)
760i xDrive
車両重量=2270kg
エンジン=4.4L V8ツインターボ
最高出力=544ps/5500rpm
最大トルク=750Nm/1800-5000rpm
トランスミッション=8速AT
タイヤサイズ=前255/45R20、後285/40R20
0-100km/h加速=4.2秒
最高速度=250km/h
i7 xDrive60
車両重量=2715kg
前モーター=258ps/365Nm
後モーター=313ps/380Nm
システム出力=544ps
システムトルク=745Nm
タイヤサイズ:前後245/50R19
0-100km/h加速=4.7秒
最高速度=240km/h
>>BMW 7シリーズのカタログ情報をチェックする
>>BMW i7のカタログ情報をチェックする
>>BMW 7シリーズのユーザーと専門家のレビューをチェックする
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
【スーパーGT】性能調整がフェアじゃない! 元F1ドライバーから不満あがるほどのパフォーマンス見せる2号車muta。速さの秘訣はクルマづくりの緻密さか
スバルが新型「WRX tS」初公開! オシャブルー内装&ワイドボディ採用!? 2024年後半に米国で発売へ
EcoFlowが自動車のオルタネーターの余剰電力を利用し1.3時間で1000Wh充電できる走行充電器「Alternator Charger」を発売
【スクープ】アストンマーティンのV12搭載新型スーパースポーツに「ヴァンキッシュ」の名前が6年ぶり復活へ!
【MotoGP】クアルタラロ、イタリア決勝で大苦戦18位。ヤマハのアップデートで好転の兆し見せるも“フィジカル”への負担が問題に
ポルシェ『911カレラ』改良新型…空力と動力性能を向上させるデザイン[詳細画像]
ヤマハ発動機が発表した不適切行為の該当車種一覧
ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
ホンダが発表した不適切行為の該当車種一覧
アウディのラスボス登場!? 『RS Q8』改良新型、ド迫力フェイスでニュル激走
汚れも気にせず愛犬がリラックスできる広い車内 トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
堂々たる体躯がユーザーを魅了! トヨタ三代目「ソアラ2.5GTツインターボL」とは
ステップワゴン、ZR-Vなど4車種が価格改定 原材料価格と物流費が影響
【販売店も確信】次期「デリカD:5」やはり開発中。独自ボディとPHEV化で「デリカD:6」を名乗る?
“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
【そもそも買えるの?】ランクル300と250、レクサスLXとGX。“最強に買い”なモデルとは
【228万円】一番安いのに装備が充実…? 「マツダ3 ファストバック 15S」はアリかナシか
売れてる軽EV「サクラ」がライラック×黒の乙女系2トーン追加や仕様向上。価格は約4~5万円上昇
こっちが本命? ノートクロスオーバーがデザイン一新。タフ感強調で本家よりアリかも…?
【電動ツインブースト!】新型「911」の目玉はハイブリ搭載「GTS」。加速が大幅進化の理由
ヒロミ絶賛の乗り心地、電動トノカバー高すぎ!? 発売から3ヶ月経ったトライトンのユーザー評価は?